熱血リズム魂モエblog。色々だだもれに稼動中。
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まさか二回もやると思わなかったスマブラネタ孤高話。
さくっと書いたのでさくっと読んで下さい……。
さくっと書いたのでさくっと読んで下さい……。
「団室に電子機器類持ち込み禁止」
団室の入り口に太い筆で一発書きされた貼り紙に、両手で荷物を抱えた鈴木は思わず足を止め、一瞬後噴き出した。一体どんな時代錯誤な言い回しかという。これじゃ携帯も駄目だろと笑いながら、鈴木は団室の扉を後ろ手にぴったり閉めた。とはいえ何度か戸を動かして、音が漏れないように確認したのはやはりそれなりに警戒してのことだったのだろう。
「自分は知りませんよ」
「そう言うな」
出迎えるなり渋い顔をした生真面目な新人にそう言いながら、鈴木は抱えていた箱を田中に渡した。白く大きな箱は田中の手には余ったようで、バランスを崩しそうになりながらも何とか両腕に抱きかかえる。
「団長だって活動の一環だって言ってたじゃないか。それなら記録を取らなきゃいけねぇだろ」
「それは。それなら、そうですが」
そうでないと思うから言っている。明らかな詭弁と疑いつつも、田中はそれ以上の異は唱えなかった。追及が無いのをいいことに、センサーの位置を確認しながら、鈴木はいそいそとコードを団の控え室備え付けのテレビに接続する。折りよくというべきか運良くと言うべきか、その行動を目にしたら間違いなく雷を落とす筈の百目鬼は、今日一日予定で外出していた。
「発売日に持って来られなかったのは残念だけどな。代わりにうちで結構進んだぜ。隠しも出たし」
「本当にいいんですか」
「まあ見てろって」
呆れたように、それでいながら心配そうに田中は鈴木に準備の折に触れ声を掛ける。後輩の行動とは対象的に、どういう意図があるのか、一本木は咎めることも何もしなかった。普段なら言葉以上に物を語る気配も、今は特に何を考えている訳でもないように窓際の指定席で静まっている。席に着いたまま動かないその表情に、鈴木はちらと視線を投げた。
「ま。折角だからみんなで見てぇんだがな、要するに」
「そうだろうな」
手伝う訳でも止め立てする訳でもなく傍観していた斉藤が、短く同意した。小型の白い機器を起動すると、勇壮な音楽と共にCGのオープニングが流れて来た。
「斉藤、コントローラー持ってきたから対戦」
「俺はいい」
「自分も結構です」
「……あ。そう」
一拍先回りした後輩の答えに、鈴木は寂しげに呟いた。仕方が無いので、諦めて一人用で始める。言葉通り大分やり込んでいるのか、手馴れた様子で特段のミスもないまま鈴木は次々とステージをクリアしていく。最初の頃は田中も斉藤も物珍しげに鈴木の腕前を眺めていたが、短い一周を何度か繰り返すと、斉藤が僅かに飽いた気配を見せた。肘をつく位置を変えて、ふんと軽く息をつく。
「意外と出ないもんだな」
「そうなんだよ。西園寺と雨宮のシールは出たんだがなあ。アシストフィギュアがなかなか」
チア達が喜びそうなピンク色の丸いキャラクターで画面中を跳ね回りながら、鈴木は眉を寄せて同意した。
「それは」
その一呼吸後に、一本木が徐に答える。腕組みを崩さず、一本木は画面と鈴木の背中とを真っ直ぐに見据えたまま言った。
「俺がここに居る間は出ないだろう」
斉藤と鈴木が、一斉に振り返った。そして同時に顔を見合わせ、限界まで眉を寄せた斉藤が精一杯の疑念を込めて言う。
「そうなのか?」
「……そういうものなのか?」
「そうだと思っていた」
「そうなんですか……?」
当人にそう答えられては如何ともし難い。きっと朝日町でも似たような会話が繰り広げられているのだろうと思いながら、鈴木は電源のボタンに手を伸ばし、斉藤は眼帯の上から目頭を押さえ、田中は目を逸らす。
「続けないのか」
三様の反応の真意を知ってか知らずか、一本木は短く問う。いや、と言葉を濁す鈴木に黙って頷きながら、一本木は少し暖かくなり始めた日差しに向かって目を細めた。
-------------------------------------------------------------------------
やり込みが足らんくてまだ実際見られませんという話です。スマブラネタを二度も引っ張るつもりは無かったしどうかとも思うんですが、軽めに書く文章を模索したかったようです。
あとスマブラはメタナイト×カービィでお願いします(超黙れ)。
団室の入り口に太い筆で一発書きされた貼り紙に、両手で荷物を抱えた鈴木は思わず足を止め、一瞬後噴き出した。一体どんな時代錯誤な言い回しかという。これじゃ携帯も駄目だろと笑いながら、鈴木は団室の扉を後ろ手にぴったり閉めた。とはいえ何度か戸を動かして、音が漏れないように確認したのはやはりそれなりに警戒してのことだったのだろう。
「自分は知りませんよ」
「そう言うな」
出迎えるなり渋い顔をした生真面目な新人にそう言いながら、鈴木は抱えていた箱を田中に渡した。白く大きな箱は田中の手には余ったようで、バランスを崩しそうになりながらも何とか両腕に抱きかかえる。
「団長だって活動の一環だって言ってたじゃないか。それなら記録を取らなきゃいけねぇだろ」
「それは。それなら、そうですが」
そうでないと思うから言っている。明らかな詭弁と疑いつつも、田中はそれ以上の異は唱えなかった。追及が無いのをいいことに、センサーの位置を確認しながら、鈴木はいそいそとコードを団の控え室備え付けのテレビに接続する。折りよくというべきか運良くと言うべきか、その行動を目にしたら間違いなく雷を落とす筈の百目鬼は、今日一日予定で外出していた。
「発売日に持って来られなかったのは残念だけどな。代わりにうちで結構進んだぜ。隠しも出たし」
「本当にいいんですか」
「まあ見てろって」
呆れたように、それでいながら心配そうに田中は鈴木に準備の折に触れ声を掛ける。後輩の行動とは対象的に、どういう意図があるのか、一本木は咎めることも何もしなかった。普段なら言葉以上に物を語る気配も、今は特に何を考えている訳でもないように窓際の指定席で静まっている。席に着いたまま動かないその表情に、鈴木はちらと視線を投げた。
「ま。折角だからみんなで見てぇんだがな、要するに」
「そうだろうな」
手伝う訳でも止め立てする訳でもなく傍観していた斉藤が、短く同意した。小型の白い機器を起動すると、勇壮な音楽と共にCGのオープニングが流れて来た。
「斉藤、コントローラー持ってきたから対戦」
「俺はいい」
「自分も結構です」
「……あ。そう」
一拍先回りした後輩の答えに、鈴木は寂しげに呟いた。仕方が無いので、諦めて一人用で始める。言葉通り大分やり込んでいるのか、手馴れた様子で特段のミスもないまま鈴木は次々とステージをクリアしていく。最初の頃は田中も斉藤も物珍しげに鈴木の腕前を眺めていたが、短い一周を何度か繰り返すと、斉藤が僅かに飽いた気配を見せた。肘をつく位置を変えて、ふんと軽く息をつく。
「意外と出ないもんだな」
「そうなんだよ。西園寺と雨宮のシールは出たんだがなあ。アシストフィギュアがなかなか」
チア達が喜びそうなピンク色の丸いキャラクターで画面中を跳ね回りながら、鈴木は眉を寄せて同意した。
「それは」
その一呼吸後に、一本木が徐に答える。腕組みを崩さず、一本木は画面と鈴木の背中とを真っ直ぐに見据えたまま言った。
「俺がここに居る間は出ないだろう」
斉藤と鈴木が、一斉に振り返った。そして同時に顔を見合わせ、限界まで眉を寄せた斉藤が精一杯の疑念を込めて言う。
「そうなのか?」
「……そういうものなのか?」
「そうだと思っていた」
「そうなんですか……?」
当人にそう答えられては如何ともし難い。きっと朝日町でも似たような会話が繰り広げられているのだろうと思いながら、鈴木は電源のボタンに手を伸ばし、斉藤は眼帯の上から目頭を押さえ、田中は目を逸らす。
「続けないのか」
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